バターの揮発性香気物に関する研究:第1報 加塩非醗酵バター
1965
1). 新鮮な加塩非醗酵バター16kgを油,水層に区け減圧蒸溜し,揮発性物質をトラップに集めたところ,バター特有の香気をもつ区分が得られた.2). Dilaurylphthalate 20%-celite 545カラムを用いてGCを行なう条件を求め,酸性物質は160°,60mlHe/min.,カルボニル化合物は89°または,120°,42.8mlHe/minで一部の化合物を除き分離分析できる事が解つた.3). 1. で得た香気濃縮物を2. の条件でGCを行なつたところ揮発性脂肪酸としてC3,i-C4,n-C4,i-C5,n-C5,n-G6,i-C8,n-C8の存在が認められた.揮発性カルボニル化合物としてはDiacetylの他にPropionaldehyde,i-とn-Valeraldehyde, n-Hexanal, 2-Pentanone,2-Hexanone, 2-Octanone等が推定された.4). 別に水蒸気蒸溜法により総揮発性酸,Diacetyl量を求め,GCの面積比から各物質の含量を推定したところ各脂肪酸は0.9~1.9mg%でほぼ同量づつ分布し,カルボニル化合物は極めて少なく最も多いPropion-aldehydeで16μg/100g程度に過ぎず,非醗酵加塩バターの香気構成における揮発性脂肪酸の重要性がうかがわれた.5). 推定された揮発性化合物を,温水洗滌したバターオイルまたはマーガリン油脂に添加した再製バターおよびマーガリンを調製し,その官能評価を行ない推定化合物の信頼性を検討し良好な結果を得た.
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