ブタ胚におけるΔ5-3β,20α及び20βハイドロオキシステロイド脱水素酵素の組織化学的検出とプロジェスタジェン生産の可能性

1978 
1細胞期(妊娠1日),4細胞期(妊娠4日)及び胞胚期(妊娠8日と13日)のブタの胚について,Δ5-3βハイドロオキシステロイド脱水素酵素(基質DHAとpregnenolone,補酵素NAD),20αハイドロオキシステロイド脱水素酵素(基質20α-hydroxypregn-4-en-3-one,補酵素NADP)及び20βハイドロオキシステロイド脱水素酵素(基質20β-hydroxypregn-4-en-3-one,補酵素NAD)の組織化学的検出をDickmannとDeyの方法を若干修正して行った.胚の浸漬は37°Cで2時間行い,対照として基質を除いた液を用いた。いずれの基質を用いた場合にも,胚の細胞質にジホルマザン顆粒が現われた.1細胞卵子及び4細胞卵子において,ジホルマザン顆粒は細胞質の脂肪球の間に沈着していたが,後者では核の周囲に特に多く分布していた.初期の胞胚(妊娠8日)において,この顆粒は胚結節とトロホブラストの細胞質に一様に分布しており,両種の間で量的差異は認められなかった.また,いずれの時期においても透明帯は反応しなかった.伸長胞胚(妊娠13日)のトロホブラストにおいて,ジホルマザン顆粒の量は細胞によって若干異っていた.いずれの基質を用いた場合においても,ジホルマザン顆粒の分布状態は同じであった.これらの結果から,ブタ胚は発生の初期を通して常にプロジェスタジェンを合成していることが推察された.
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