術前化学療法で原発巣pCR となるも狭窄症状が出現した高度リンパ節転移を伴う胃癌の1 例

2021 
症例は65 歳,男性。上部消化管内視鏡検査で胃前庭部に全周性の2 型腫瘍を認め,生検では低分化腺癌,HER2 陰性の結果であった。画像検査と審査腹腔鏡でcT4a(SE)N3M0,cStage Ⅲの診断となり,bulky N の所見を認めていたため術前補助化学療法(SOX 療法)を実施した。2 コース行ったところで胃原発巣と転移リンパ節の著明な縮小を認めたが,胃腫瘍部での狭窄症状が出現した。W‒ED チューブで胃内の減圧と栄養管理を行い,良好な全身状態で手術ができた。手術は幽門側胃切除術(D2 郭清),胆囊摘出術を施行した。病理組織学的検査では胃原発巣には明らかな癌細胞の残存は認めず,組織学的効果判定はGrade 3 であった。郭清リンパ節には2 個の転移を認めたが,いずれもわずかに癌細胞が残存するのみであった。術前化学療法で狭窄症状が出現したが,原発巣でpCR が得られた胃癌の1 例を経験したので報告する。
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