Occurrence of Fenestrated Capillaries in the Rat Tibialis Anterior Muscles after the Hindlimb Cast Immobilization

2004 
【背景と目的】後肢拘束したラットの前脛骨筋の毛細血管を走査型電子顕微鏡で観察し, その毛細血管のタイプの移行について検索した.【対照と方法】6週令雄ラットの後肢をギプスで拘束し, これを拘束群として2週間飼育後屠殺し, その前脛骨筋に分布する毛細血管を走査型電子顕微鏡, 透過型電子顕微鏡, および光学顕微鏡で観察した.対照群として通常飼育した8週令ラットを同様に観察した.【結果】拘束群ラットの前脛骨筋には筋線維の萎縮と筋内膜の肥厚が顕著であった.毛細血管は筋内膜の結合組織内にあり, 走査型電子顕微鏡で観察すると, カベオラ (caveola) が拘束群と対照群の前脛骨筋の毛細血管内皮細胞に多数みられた.対照群ではカベオラの開口部の平均径は17.6±6.0nm, 毛細血管の内腔面1μm2あたりのカベオラの数は平均64.3±26.0個, 拘束群では平均径21.5±7.3nm, 1μm2あたり平均86.4±27.8個で, 対照群に比べ拘束群では有意に径は大きく, 数も増加していた (p<0.01).これに対して窓 (fenestra) は拘束群の毛細血管の内皮細胞にのみみられ, その平均径は76.6±28.7nmであった.透過型電子顕微鏡では, 窓は内皮細胞の薄膜部の小さな断絶部として観察された.【結語】通常飼育した対照群のラット前脛骨筋の毛細血管は窓を持たない連続型毛細血管であるが, 後肢拘束をした拘束群ラットでは窓を備えた有窓型毛細血管に移行しうることを初めて走査型電子顕微鏡による検索で明らかにした.これらの窓の出現は, 内皮細胞の透過性増大を反映しているものと思われる.
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