要介護高齢者の加齢と摂食・嚥下障害との関連 : むせの頻度を用いて
2004
介護老人保健施設に入所している97名の要介護高齢者について,脳卒中後遺症の有無に分け,加齢と摂食・嚥下障害との関連をむせの頻度を用いて検討した。脳卒中後遺症の者では,脳卒中後遺症を有さない者に比べ,食事中のむせの頻度は2.4倍であるが,加齢との関連は認められなかった。一方,脳卒中後遺症を有さない者では,85歳以上の超高齢期の者は84歳以下の者に比べむせは有意に多かった。脳卒中後遺症の者では,むせの頻度は主に脳病変に影響され,脳卒中後遺症を有さない者では,パーキンソン病,痴呆,薬剤の副作用などの合併症や加齢に伴う咀嚼力の低下,無症候性脳梗塞などの予備能力の低下に影響されていると考えられた。今回の調査より,摂食・嚥下障害の危険性は,脳卒中後遺症を有さない高齢者では85歳前後から高まり,脳卒中後遺症の者と共に十分な注意を払う必要性が示唆された。
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