ポリ-β- ジケトンのキレート高分子の合成とその触媒作用

1966 
テレタル酸ジメチルと種々の芳香族アセチル化合物とをナトリウムの存在下で縮合し, 式(I) ~ 式(II) で示される種々のβ - ジ〓(I)〓(II)〓(III)〓(IV)ケトン型のリガンドを合成し, それぞれの銅キレートを合成した。特に, I, II の高分子リガンド, IV のリガンドから合成される銅キレート中のキレート化率は均一液相反応よりも界面不均一反応の場合がいちじるしく高いことを見出した。リガンドI, II お よびIV の高分子キレートの基本単位であるジベンゾイルメタンIII の銅キレートは過酸化水素の分解反応に対して触媒作用をもたないが, リガンドI, II およびIV からえた銅キレートはそれぞれ過酸化水素の分解反応に対して高い触媒活性を有し, その順序は(I-Cu)>(II-Cu)>(IV-Cu)>(III-Cu)≅0であった。同様の傾向はアスコルビン酸の酸化反応に対する触媒活性についても認められた。これらの触媒活性の原因は高分子リガンドと銅との結合の強さによって説明されることを, 種々の構造解析の結果から帰納的に見出した。
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