Clinicopathological characteristics of renal cell carcinoma in 62 patients with acquired cystic disease of the kidney (ACDK)
2000
目的: 透析患者, 特に後天性多嚢胞腎 (ACDK) 症例に発生した腎細胞癌 (RCC) の臨床病理学的特徴を明らかにするために, 調査対象患者, 腎嚢胞の種類, 透析期間, 腫瘍の病理所見, そして患者の予後について検討を加えた.方法: 507施設にアンケート調査を行い, 嚢胞性腎疾患に合併したRCCで腎摘除術を受けている223例を集計した. その中から, 62例のACDK (5721例の腎癌の1.08%) を中心に, 慢性透析を受けている患者71名を今回の検討の対象とした. またアンケートの対象と同一期間中に, 一般人に発症したRCCで我々が治療した33症例を対照群とした.結果: 透析患者におけるRCCの83%がACDKに合併していた. ACDK症例のRCCの55.7%がpT 2で, わずか1.7%に手術時転移が認められた. 腎癌死に限定した場合の5年生存率は対照群の生存率より有意に良好であった.組織学的検討では, 構築型に関して48.3%が胞巣型, 13.1%が腺管型, 21.3%が乳頭型であり, 細胞型に関しては57.4%が淡明細胞亜型, 21.3%が顆粒細胞亜型であった. 細胞型では顆粒細胞亜型, 組織型では腺管型あるいは乳頭型の割合が対照RCCに比べ高い傾向を示した. 透析期間が判明している69症例 (ACDK 61例, その他の腎嚢胞8例) の組織学的検討でも, これらの細胞および組織型の増加は, 透析期間が10年を超える症例で明らかであった.
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