被殻・視床・小脳の3カ所に同時多発性脳内出血をきたした1例

1999 
高血圧性脳内出血の好発部位である被殻・視床・小脳の3カ所にほぼ同時に脳内出血を認めた1例を報告する.症例は10年来の高血圧の既往歴をもつ80歳の男性.1998年3月に突然の嘔吐・意識障害にて当院救急外来に搬送された.来院時の意識レベルはJapan Coma Scale (JCS)II-30,血圧は300以上/150mmHgで左片麻痺・左錐体路徴候を認めた.発症約1時間後の頭部CTで右被殻・右視床・右小脳に出血を認めた.その後意識レベルはJCSIII-100まで低下して全面介助の状態となった.テント上下にわたる同時多発性脳内出血は稀であるが3カ所同時の出血例は報告されていない.本症例の病態について当院における脳内出血の部位別頻度・年齢分布などを呈示し,既報告例21例をくわえて年齢・出血部位・予後・治療につき検討し考察を加えて報告した.本症例では高血圧以外の危険因子として加齢・低コレステロール血症が考えられた.
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