Rapid Progression of Portal Vein Tumor Thrombus after Percutaneous Radiofrequency Ablation for Hepatocellular Carcinoma
2005
症例はC型慢性肝炎を有する71歳の男性で, 右前下亜区域 (S5), 右後下亜区域 (S6) のそれぞれ2cm大の肝細胞癌に対し, 2003年3月経皮的ラジオ波焼灼療法 (radiofrequency ablation therapy; 以下, RFAと略記) を施行した. 治療後第38日目に, S6焼灼部から門脈右後下亜区域枝に連続する腫瘍栓を指摘, その後1か月の間に腫瘍栓は急速に進展し, その先端は門脈右前後区域枝分岐部に達した. 2003年6月に肝右葉切除術を施行した. 組織学的に腫瘍栓は中分化型肝細胞癌であった. S5およびS6の腫瘍はRFAによりすべて凝固壊死していたが, S6の焼灼範囲内の門脈枝に肝細胞癌の凝固壊死像を認めた. 微小な門脈浸潤の存在下にRFAを施行し, 門脈内への腫瘍栓の圧出が起こったと考えられた. RFA後は急速に進展する門脈腫瘍栓の可能性を念頭におき, 慎重な経過観察が必要である.
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