OK-432とMitomycin C の心嚢腔内投与が著効し良好なQOL が得られた乳癌心タンポナーデの1 例
2010
症例は36 歳,女性。29 歳時,左乳癌に対しAuchincloss 手術が施行された。リンパ節転移に対する治療が施行されていたが,3 年後呼吸苦が出現し当院救急外来に搬送された。癌性心膜炎による心タンポナーデとして,心嚢腔ドレナージおよびtrastuzumab+vinorelbine(VNR)の静脈内投与を行い症状軽快,以後当科外来にて加療されていた。治療継続1 年後,再び呼吸苦が出現。画像検査から心タンポナーデの診断を得,USガイド下に心嚢腔穿刺を行い,血性心嚢液600 mLを除去した。細胞診ではclass ㈸で,乳癌の癌性心膜炎が原因と考えられた。心嚢液が再貯留するため局所治療が必要と考え,OK-432 10 KE,MMC 10 mgを心嚢腔内に二度注入した後,細胞診は陰性となり,心嚢液貯留は改善,胸部X線検査にて心陰影は縮小した。その後はtrastuzumabとホルモン療法併用で外来治療中であるが,良好に経過し就業可能となった。
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