Case studies of liver cirrhosis, simple and complicated with hepatocellular carcinoma or esophageal varicosity, in Anan Kyoei Hospital.

1986 
昭和54年1月より昭和58年末までの5年間に阿南共栄病院に入院した肝硬変症およびそれに伴う肝細胞癌, 食道静脈瘤症例について疫学的ならびに治療成績について検討した。1. 5年間に経験した肝硬変は128例であった (男性98例, 女性30例)。男性では40才代 (26.5%) から急増し, 50才代 (38.8%) がもっとも多かった。女性では70才代まで増加傾向であった。2. 肝硬変の成因別分類では, HBV性40例 (31.3%), アルコール性27例 (20.3%), 原因不明61例 (48.4%) であり, 平均年令はHBV性55.9才, アルコール性52.5才, 原因不明60.1才であった。3. 128例のうち66例が死亡しており, 死因では肝細胞癌が40.9%2もっとも多く, 次いで肝不全37.8%, 消化管出血12.1%, その他9.2%の順であった.4. 肝細胞癌41例のうち肝硬変合併症例は30例 (肝硬変の合併率は73.2%) であった。成因別分類での発生頻度はHBV性16例 (40%), アルコール性4例 (14.9%), 原因不明10例 (16.4%) であった。5. 肝細胞癌の切除率は約5%であり, 切除不能例には持続動注, TAE, one shot動注を行なったが, 肝硬変の合併や進行した症例のため, 成績はいまだ不良であった。6. 食道静脈瘤の合併頻度は60例, 46.8%であった。16例に手術を施行した。(予防手術9例, 待期手術6例, 緊急手術1例) 手術死亡が4例あり, 遠隔死亡も5例あった。手術適応の決定にあたっては, 術前の詳細な肝機能の評価が重要である2考えられた。
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