水準測量による桜島火山の地盤上下変動(2010年11月-2011年11月)

2011 
桜島火山において,2011年11月に一等水準測量の繰返し観測を実施した。この結果を2010年11月に行われた測量結果と比較することで,2010年11月から2011年11月の期間における地盤上下変動量を求めた。この期間の桜島北部における地盤上下変動量は3mm以内であった。桜島北部の地盤においては,1991年以降,山頂噴火活動静穏化に伴い,姶良カルデラ地下のマグマ溜りにおけるマグマの貯留を反映すると推定される地盤隆起が観測されてきたが,2010年4月-11月の期間に続きその地盤隆起がほぼ停滞していることが確認された。一方,桜島中央部に近い水準点においては,最大で約13mmにおよぶ地盤の沈降が確認された。これは,桜島中央部直下のマグマ溜りにおける減圧,すなわちマグマの放出量が供給量を上まったことを示唆しており,昭和火口における活発な噴火活動を反映しているものと考えられる。
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