A Case Report of Acute Localized Phlegmonous Upperjejunitis

2005 
症例は肝疾患の既往がない73歳の女性で, 腹痛, 嘔吐を主訴に当院を受診した. 腹部CTで小腸の限局性浮腫を認め, 腹部所見などより汎発性腹膜炎と診断し, 緊急開腹手術を行った. Treitz靭帯より肛門側へ約50cmの上部空腸が約12cmにわたり暗赤色に発赤し, 著明に腫大していた. 漿膜面には膿苔の付着を認め, 混濁した腹水も認められたが, 明らかな穿孔や穿通部などは認められなかった. 切除標本では粘膜は浮腫状ではあるものの全体にきれいで, 数か所に直径約2mm程度の小さいびらんが認められるのみであった. なお, アニサキス, 魚骨, 薬物などの異物は認められなかった. 病理組織検査では粘膜層はよく保たれているが, 粘膜下層が著明に肥厚し, 同部にび慢性に好中球の浸潤が認められた. グラム染色では粘膜下層にグラム陽性球菌が多数認められ, 何らかの原因で粘膜に小びらんが形成され, 同部からの細菌侵入により, 局所の急激な蜂窩織炎を来たしたものと考えられた.
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