STRATEGIC CHANGE IN TREATING INFLUENZA AND CLINICAL EVIDENCE

2000 
近年インフルエンザ感染症はその他のかぜ症候群と区別した診療が求められてきている.しかし日常診療においてはその区別が明確でないのが現状であった.そこでインフルエンザの従来の診断法, 治療および臨床像, 合併症の把握そして新たな迅速診断法, 治療について検証した.一昨シーズン(1998.12~1999.3)の入院患者のうち確定診断できた症例25例を retrospectiveに抽出し比較検討した.また臨床診断の正診率を推定するため初診時迅速抗原診断検査を施行した36例についても検討した.従来の臨床的診断によるインフルエンザの正診率は少なく見積もると35%であった.血清学的診断にはペア血清が必須であり, HI抗体, CF抗体を併用測定する場合は発症2週間後の2回目検査が好ましいと考えられた.また, CF抗体価併用測定により不明ウイルス株感染も検出可能になると考えられた. A抗原迅速検査法ディレクティジェン Flu Aは感度71%, 特異度100%であり A型インフルエンザの確定迅速診断に有用であった.A型インフルエンザの抗ウイルス剤であるアマンタジンは呼吸器症状を短縮させる傾向を認めた.合併症は喘息発作様の喘鳴(28%), 肺炎(32%)等呼吸器症状の重症例が多かった(喘鳴ないし肺炎合併44%).我々は「インフルエンザはかぜではない」という厚生省の積極的インフルエンザ対策を実現するために必要な迅速診断・積極治療が日常の診療現場でも実施可能になったことを実感し, そのための基礎データを確認した.
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