Assessment of cardiovascular events prediction in patients with hypertension therapy

2011 
はじめに:高血圧症における左房拡大や左室肥大が心血管疾患発症の予測因子であることが知られている.本研究の目的は心エコー図指標から高血圧患者の心血管イベント発症の層別化が可能であるか否かを検討することである.対象と方法:対象は,当院で心エコー図検査を施行した20‐80歳代の薬物治療を受けている高血圧患者連続357例(平均年齢:64.7±13.4歳,男/女:194/163例).心房細動例,虚血性心疾患例,中等度以上の僧帽弁逆流例,追跡困難な高血圧患者は除外した.患者背景因子ならびに心エコー図指標と心血管イベント(心不全,急性冠症候群,脳卒中)発症との関連について検討した.結果:心エコー図検査施行後の経過観察期間中(平均821±443日)に24例(心不全11例,急性冠症候群5例,脳卒中8例)がイベントを発症した.全症例をイベントの有無で2群に分類した.ロジスティック回帰分析による単変量解析で有意差を認めた項目を説明変数として多変量解析を行った結果,左房容積係数(LAVI)及び左室心筋重量係数(LVMI)は心血管イベントの予測因子であった(LAVI:OR 1.07,p=0.003,LVMI:OR 1.02,p=0.007).LAVI及びLVMIを4グレード(正常:0点,mildly:1点,moderately:2点,severely:3点)に分類しスコア化,全症例のLAVIとLVMIの両スコアの総計をLALV indexとした.Kaplan-Meier法による生存分析を行ったところ,LALV indexが増すにつれイベント発生率は有意に高値であった(Log-rank, p<0.0001).結論:高血圧治療患者において,LAVI及びLVMIの両指標を用いた定量的評価は,心血管イベント発症の予測に有用である可能性が示唆された.
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