L-2- (carboxycyclopropyl) glycineによるグルタミン酸トランスポーターを介したグルタミン酸逆行性輸送の抑制作用

1996 
中枢神経系には, 少なくとも4種類のグルタミン酸トランスポーターが存在する.グルタミン酸トランスポーターは正常時には順行性にグルタミン酸を細胞内に取り込む働きをする.しかし, 虚血時のように細胞外イオン濃度が異常になると, グルタミン酸トランスポーターは細胞内のグルタミン酸を細胞外に放出するよう, 逆行性輸送に働く.グルタミン酸トランスポーターのひとつであるhGluT-1遺伝子を導入HeLaS3細胞では細胞外ナトリウム・イオン濃度を100mM以下にした場合, 細胞内のグルタミン酸は細胞外に放出された.このhGluT-1を介したグルタミン酸の放出 (逆行性輸送) はL-グルタミン酸のextended formよりもfolded formの構造をとるアナログ, L-2- (carboxycyclopropyl) glycineの (2S, 3S, 4R) isomer (L-CCG III) および (2S, 3R, 4S) isomer (L-CCG IV) により効果的に抑制することが明らかとなった.脳虚血時のグルタミン酸の逆行性輸送 (放出) を抑制する物質として, folded formの構造をとるグルタミン酸のアナログが候補のひとつと考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    13
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []