Diisopropyl-1, 3-dithiol-2-ylidene malonate (NKK-105)と肝の蛋白代謝I―再生硬変肝を用いての検討

1980 
あらたに合成された化合物diisopropyl-1, 3-dithiol-2-ylidene malonate (NKK-105)を用い主としてシロネズミの四塩化炭素による硬変肝部分切除後の再生の際の蛋白代謝を検討し次のような成績を得た.1) NKK-105, 6日間の投与(100mg/kg/day)により部分切除硬変肝の再生率は150%(対照78.8%)であった.2) 再生肝の蛋白量,14C-leucineの蛋白へのとりこみ,遊離アミノ酸量はNKK-105投与により増加した.3) GOT, LDH活性は増加,GPT活性はやや減少した.4) 糖含量は正常再生肝で減少,硬変再生肝ではNKK-105投与により著明な増加を示した.5) NKK-105投与によりBSP停滞率の著明な改善がみられた.6) NKK-105投与マウス肝の遊離アミノ酸は増加し,phosphoserine, aspartic acid, threonine, glycine, alanine, valine, leucine, isoleucine, lysine ornithine,β-alanineなどの増加がめだった.NKK-105には蛋白代謝および細胞増殖促進作用と肝細胞機能の賦活化作用があるものと考えられる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    6
    References
    8
    Citations
    NaN
    KQI
    []