Effect of mesalazine microgranules on experimental colitis.

1994 
メサラジン(mesalazine)顆粒はメサラジンを腸管全体に徐々に放出するようにエチルセルロースでコーティングした製剤であり,特発性炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)に有効性を示すことが期待されている.メサラジン顆粒をラットに経口投与して,メサラジンの腸管組織への分布動態を調べるとともに実験的大腸炎モデルに対する効果を検討した.メサラジン顆粒をラットに経口投与した時に検出される腸管組織内のメサラジンの量およびその代謝物であるアセチル体(N-acetyl-mesalazine)の量はメサラジンを原薬で投与した場合に比べて増大した.投与後24時間までに直腸に分布した総メサラジン量(AUC)はメサラジン顆粒投与群ではメサラジン投与群に比べて2~3倍の値を示した.ラット酢酸誘発大腸炎では肉眼的評価による障害を50mg/kgで有意(P<0.05)に抑制し,病理組織学的評価では100mg/kgで有意(P<0.05)な抑制効果を示した.モルモットカラゲニン誘発大腸炎での潰瘍数は50,100,200mg/kgで抑制された.2,4,6-trinitrobenzenesulfonic acid(TNB)誘発大腸炎でのラットの腸管湿重量は50mg/kgで有意(P<0.05)に抑制された.メサラジン顆粒の投与によってメサラジンは効率良く腸管組織に分布することが認められ,さらに,ヒトの潰瘍性大腸炎類似モデルとされる酢酸誘発大腸炎やカラゲニン誘発大腸炎,クローン病類似モデルとされるTNB誘発大腸炎に有効性を示した.以上の結果から,メサラジン顆粒は特発性炎症性腸疾患に有用であることが示唆された.
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