ファロー四徴症における in situ 肺動脈弁置換症例の検討

ファロー四徴症に in situ 肺動脈弁置換術を施行した10例の13回の肺動脈弁置換術に検討を加えた. 初回肺動脈弁置換術時年齢は3歳6か月から43歳11か月, 平均17.5歳. 肺動脈弁置換術は5例では初回根治手術時, 他の5例では根治手術後の再手術時に施行し, 3例では再弁置換術を施行した. 人工弁には13回中, 10回は生体弁を, 3回ではSJM弁を使用した. また, 術前状態としては open Brock 既往症例に肺動脈弁置換術症例が有意に多く認められた. 初回肺動脈弁置換術後早期死亡はないが, 遠隔死亡は再弁置換術後の1例と心不全死の1例の計2例で認められた. 結果として肺動脈弁置換術後の reoperation free rate は5年88.9%, 10年59.3%で, 遠隔期生存率は5年88.9%, 10年88.9%とまずまず良好であったが, 遠隔期再弁置換術の可能性は高く, より慎重な適応の検討が必要と考えられた.