A SURGICAL CASE OF NON-SPECIFIC MULTIPLE ULCER OF THE SMALL INTESTINE CAUSING FREQUENT INTESTINAL OBSTRUCTION IN AN ELDERLY

高齢者に発症した稀な非特異性多発性小腸潰瘍症に対し,手術を施行し軽快した症例を報告する.症例は67歳,男性.開腹胆嚢摘出術後より頻回の腸閉塞を発症し,保存的治療で軽快していた.平成15年6月腸閉塞を発症し入院となった.小腸造影で小腸中～下部に多発する狭窄性病変が認められ,それらを腸閉塞の原因と診断し,狭窄部位の小腸部分切除術を施行した.狭窄部の切除範囲の決定には術中内視鏡が有効であった.肉眼所見,臨床症状および病理組織学的所見を総合的に判断し,非特異性多発小腸潰瘍症と診断した.術後経過良好で約1年間腸閉塞の発症はないが,腸結核やCrohn病を除外して本疾患の確定診断とするには慎重な経過観察が必要と考える.