Clinical course of a hemodialysis patient with hypoglycemia induced by disopyramide.

1993 
Disopyramide (DP) を服用中に重篤な低血糖を引き起した透析患者の1例を経験した. 当初心房細動の治療のためにDPを1日300mg投与していたが, 血中濃度が有効濃度以下であったため1日600mgまで増量した. DP増量後20日目に突然低血糖昏睡を引き起こしたが, DPの中止と50%ブドウ糖の大量投与により救命し得た. 本症例は不明熱の治療のため, Rifampicin (RFP) も投与されていた. RFPは肝臓の薬物代謝酵素Cytochrome P-450の誘導によりDPの代謝を促進し, 活性代謝物であるmono-N-dealkyldisopyramide (MND) の血中濃度を上昇させることが報告されている. またDPおよびMNDはともに腎から排泄されるため, 腎不全においてはDPおよびMNDの血中濃度が増加する. よって本症例のように腎不全においてRFPを併用している場合にはDPの代謝が促進されるためDPの血中濃度が減少しMNDの血中濃度が高値を示すものと予想された. 文献的考察ではDPによる低血糖は, 肝機能が正常で腎機能が低下した症例に発症しやすい傾向が認められた. また大部分の症例において, 低血糖時の血中DP濃度は治療濃度範囲内もしくはそれ以下であった.以上よりDPの活性代謝物であるMNDも低血糖発症に関与している可能性が示唆された.
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