飽和含水土壌内の凍土・温度予測 –土壌の凍結や融解現象を含む数値解析–

2009 
著者らはこれまでに飽和含水土壌の凍結速度に及ぼす土壌含水率,土壌の初期温度,凍結管冷却温度および土壌物性値などの影響について実験的に検討してきた1)。本論文では凍結や融解を含む土壌内の温度分布予測のための数値モデルを提案し,数値予測結果と模擬土壌を用いた実験データや実際の地盤凍結工法で測定された測温データと比較を行いモデルの妥当性を検証した。その結果,このモデルでは冷熱源または温熱源が複数存在する場合や土壌の熱物性値が局所的に変化する場合,さらに地下水流が存在する系についても解析が可能であることが明らかになった。また,土壌の初期含水率,初期温度および凍結管冷却温度が凍結現象に及ぼす影響について検討した結果,特に土壌の初期含水率や冷却温度は凍結速度に大きな影響を与えることがわかり,また凍結が進むと各凍結管から成長した凍土同士が連結することで未凍結領域の冷却速度が低下し,その後の凍土の発達に強く影響することが明らかとなった。
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