Clinical value of renal biopsy in acute renal failure
1986
急性腎不全における腎生検の臨床的意義について検討した.原因不明な, 蛋白尿を伴う急性腎不全10例について, その組織像, 治療, 経過および生検の合併症について検討した. 生検時の血清クレアチニンは2.5-11.8mg/dl, 平均6.8mg/dl, 蛋白尿は0.9-26g/day, 平均5.9g/dayであった.組織診断は半月体形成性腎炎5例, 壊死性腎炎2例, 管内増殖性腎炎1例, 急性間質性腎炎2例であった. 10例中7例にステロイドの大量療法を試み, 2例が寛解, 4例が改善, 1例はまったく反応せず透析続行中である. 対症療法のみを行った3例中2例は維持透析を必要とし, 1例は徐々に腎機能を回復した. 死亡例は1例もなかった. 血清クレアチニンが11.8mg/dlと最も高かった65歳の患者では, 生検後大量の血尿があり, 腎動脈栓塞術を行って止血し得た.蛋白尿を伴う急性腎不全10例に腎生検を行い, 全例で組織診断が可能であった. 7例でステロイドの大量療法を試み, 6例が寛解または改善した. 合併症は1例で著明な血尿があった. 蛋白尿を伴う急性腎不全例で腎生検が適切な治療を行い, 予後を判断するのに有用であったことを強調したい.
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