石川県南部地域の第三紀流紋岩(医王山累層)中に産する暗色珪質脈の岩石学的特徴

2006 
石川県南部地域に分布する医王山累層流紋岩中の暗色を呈する脈状岩石(暗色珪質脈)の記載岩石学的特徴・地球化学的特徴を明らかにした.暗色珪質脈は流紋岩の破砕帯に沿って, ネットワーク状, ブレッチャー状に産し, 主に数μm程度の石英と流紋岩起源の破砕片によって構成されている.暗色珪質脈はSiO2含有量が高く, コンドライト値で規格化した希土類元素のパターンはNdよりも重い元素で暗色珪質脈と流紋岩のパターンは一致し, La, Ceは暗色珪質脈の方が富む.本岩石は, 流紋岩の破砕による破砕片の移動とその部分の付加型珪質化作用によって形成されたものであると考えられる.また, 変質鉱物の組み合わせにより, 破砕に伴う暗色珪質脈形成の後に, 100℃以下の低温変質作用を露頭全体が被ったといえる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    10
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []