肉腫成分を欠いたpulmonary blastoma (pulmonary endodermal tumor resembling fetal lung) の1例

1997 
肉腫成分を欠いた肺芽細胞腫 (pulmonary endodermal tumor resembling fetal lung: PET) の1例を報告する.症例は, 30歳, 女性で検診にて胸部異常影を指摘された.術前の気管支鏡検査では確診が得られず, 経皮肺針生検にて, 腺癌の診断を得た.細胞学的には, 出現する細胞に2種類の細胞群を認め, 1つは小型でN/C比が高く裸核状ないし少量の淡明な細胞質を有するもので, 一部で腺腔形成像がみられた.他のものは, 集塊形成傾向が強くより大型の細胞で細胞質も豊富で, 核は明るく一部には, 核内封入体様所見を認めた.組織学的には, 明るい細胞質を特徴とする高分化腺管腺癌でしばしばmoruleの形成を認め, 一方間葉系の腫瘍成分はなく, PETと診断した.左上葉切除が行われたが, リンパ節転移は認めず, 病期I期で, 術後4年の現在再発を認めていない.
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