Two Cases of Gastric Cancer Forming Intra-portal Tumor Thrombosis

2003 
門脈腫瘍塞栓をきたす胃癌はまれで, 外科的治療の意義についても一定の見解は得られていない. 門脈腫瘍塞栓を伴う胃癌2例の切除を経験したので報告した. 症例1 は58歳の男性.主訴は左側腹部痛. 胃体部3型の胃癌と診断. 胃全摘, 膵体尾部, 脾および横行結腸切除術を施行. 術中, 左胃静脈から門脈にかけ腫瘍塞栓を認め同時摘出施行. 術後症状は消失したが, 8か月目に上腸間膜静脈から門脈右枝に腫瘍塞栓再発を認め, 術後15か月で癌死した. 症例2は74歳の男性. 主訴は心窩部痛. 胃体部2型の胃癌で, 門脈左枝の腫瘍塞栓が指摘され, 胃全摘および肝左葉切除施行. 21か月目に肝転移再発し, 術後26か月で癌死した. 進行胃癌では門脈系腫瘍塞栓の可能性もあり, 術前診断で留意すべきで, 門脈腫瘍塞栓以外に非治癒因子のない症例では, 主腫瘍と門脈腫瘍栓の同時切除による, QOLの向上および1年以上の生存が期待でき, 延命の可能性も示唆される.
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