小学校理科授業におけるアクティブ・ラーニングの本質の探求 : 学習課題づくりとグループ間交流の方法に着目して

2017 
本研究の目的は,子どもの学び合いの姿を明らかにするとともに,アクティブ・ラーニングの実質化のための示唆を得ることである。その目的の達成に向けて,自然事象と子どもの素朴概念とのギャップが子どもに意識できるようにする導入を行うとともに,実験後には他グループと交流できる「フリータイム」を採り入れた授業を実践し,子どもの学びを分析した。その結果,子どもは自ら学習を開始し,他の子どもが考えた仮説や検証方法であっても共感的に理解して実験を行えることが明らかになった。また,子どもは自ら目的意識をもって他のグループへ行き,実験を行ったり納得できるまで話し合い活動を行ったりしながら,学級全体で合意することができることが分かった。加えて,アクティブ・ラーニングの実質化のためには,共に学ぶ学級の全員が納得できることをゴールとするという意識を子どもに培い続けることや,子どもには主体的・対話的で深く学び合う力があることを教師が認識し,その力を発揮できるような授業をデザインすると共に,子どもの学び合いをコーディネートすることが必要であるという示唆を得た。
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