小児鼠径ヘルニアに対するshort stay surgeryの検討

2007 
小児鼠径ヘルニアに対する短期滞在手術 (short stay surgery (SSS)) の妥当性について, 医療安全, 医療経済, 患者QOLのバランスを考慮し総合的に評価する目的で検討した. 当科で施行したSSS (日帰り手術および1泊2日入院) 236例を臨床的指標 (安全性・リスク管理, 手術合併症, 満足度) および医療経済的指標 (標準化, 病床利用率, 診断群分類 (DPC) 包括医療) から従来手術 (2泊3日入院) 329例と比較検討した. SSSは安全性・リスク管理, 手術合併症では差を認めず, 患者家族の満足度が得られ安全, 円滑に行い得た. 医療経済ではクリニカルパスを用いた標準化により病床利用の合理化が得られた. 外来診療への指向傾向のあるDPC医療では, 1日入院クリニカルパスSSSが妥当と判断された. 社会的需要に応じた医療サービスに寄与するために, 効率の良いシステムを構築することが望まれる.
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