Swallowing Function in the Very Old (85+years) : Changes in Swallowing Physiology with Normal Aging

2003 
健常な85歳以上の超高齢者6名を対象に,1 ml・5 ml・10 ml嚥下時の咽頭食道造影検査を実施し加齢に伴う生理的な嚥下機能の変化を検討した。なお,咽喉頭異常感と診断した60歳未満の健常者6名をコントロール群とした。嚥下動態の解析には,(1)咽頭流入・喉頭流入・誤嚥の有無,(2)各嚥下運動の時間的関係,(3)嚥下運動の出力量の変化,を実施し比較検討した。超高齢者群では,嚥下量の増加に伴い咽頭流入・喉頭流入が高頻度に観察された。最大喉頭挙上距離は超高齢者群で有意に延長したが,舌運動による随意的な食塊移送を嚥下運動の開始と定義して咽頭位の変化をみると,超高齢者群では,安静時の喉頭位が嚥下運動開始時までに有意に上昇し,嚥下運動開始時を基準とした喉頭移動距離はコントロール群と有意差を認めなかった。また,造影剤の下咽頭流入時の喉頭挙上度は,超高齢者群で有意に低値であった。一方,嚥下量の増加に伴う喉頭前方移動距離および食道入口部開大長は,コントロール群で有意な増大を認めたが,超高齢者群で有意な変化を認めなかった。咽頭期嚥下の出力パターンは加齢に伴っても影響を受けないが,咽頭期嚥下の惹起遅延ならびに嚥下量の変化に対応する喉頭前方移動や,食道入口部開大の対応能の低下を認めた。こうした変化が,高齢者の潜在的な誤嚥のリスクや嚥下障害の発症に関連すると結論した。
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