p-,o-水素転換ならびに重水素交換反応法を用いたシアノコバルト(II)錯体触媒の研究

1965 
CN/Co=6のシアノコバルト(II)錯体水溶液に対する水素吸収の平衡と速度を調べ,吸収熱は12 kcal/molであること,吸収は水素分子の解離をともなうことを知った。 D2を吸収させると気相に軽い分子種が現われる。溶液がこの錯体のみからなるか,あるいは塩化カリウムのような中性塩を共存させた場合にはHDが徐々に現われるにすぎないが,水酸化カリウムを加えるかあるいはCN/Co比をさらに大きくした場合は, H2がいちじるしくすみやかに現われる。錯体に捕捉された水素原子が塩基の共存によって水の水素原子と交換しやすくなることを示すものである。 p-,o-水素転換の速度はH2-D2交換の速度に概ね一致する。したがっていずれも接触解離機作で起っていること,換言すれば水素が常磁性であるシアノコバルト(II)錯体に分子状で捕捉されるような吸収機作は否定される。
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