A CASE OF VON RECKLINGHAUSEN'S DISEASE COMPLICATED BY BREAST CANCER AND PHEOCHROMOCYTOMA

2005 
今回われわれは, von Recklinghausen病(以下, R病)に乳癌と褐色細胞腫を合併した1例を経験した.症例は63歳,女性.左乳房のしこりを自覚し近医受診,当院紹介となった.精査の結果,乳癌と診断し手術を予定したが,術前に行った腹部超音波検査で右副腎に腫瘤を認め,また全身の皮膚にcafe au lait spotと軟らかい多発性の腫瘤を認めた.精査の結果, R病に合併した左乳癌と右副腎褐色細胞腫と診断した.褐色細胞腫に起因する高血圧による術中,術後管理のリスクを考慮し,まず褐色細胞腫に対し腹腔鏡下右副腎摘出術を施行後,乳癌に対し左乳房部分切除術を行った.病理組織学的には浸潤性乳管癌でt2n1 (2/8) m0 stage IIB, ER(-), PR(-)であった. R病は悪性腫瘍をしばしば合併するが,上皮性の腫瘍は比較的少ない.文献的考察を加え報告する.
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