有機金属橋かけ重合体から合成されるSi-Ti-C-0繊維の耐酸化性

1991 
チタノキサンを含有するポリカルボシランから製造されるSi-Ti-C-O繊維を用いて,この繊維中に含有されるチタンの耐酸化性への影響を調べた。Si-Ti-C-O繊維の大気中での高温酸化では,酸素の取り込みによる酸化物層の形成,ケイ素に対する非化学量論的組成の過剰炭素の脱離ならびにそれらにともなった繊維構造の変化が,逐次または併発的に起こっている。これらの中で,過剰炭素の脱離およびそれにともなった急激なβ-SiC結晶粒の成長が,酸化による強度低下の主原因であることがわかった。Si-Ti-C-O繊維中に存在するチタンは,ケイ素と炭素間の結合強さを相対的に増大させ,大気中,高温下でも,非化学量論的組成の過剰炭素の脱離を抑制するため,1200℃ においても非晶質層への酸素の取り込みを主として起こさせ,繊維強度の低下を抑える働きをしている。一方,繊維中にチタンが含有されないSi-C-O繊維の酸化においては,1000℃ 付近から過剰炭素の脱離が始まり,1100℃ 付近からβ-SiC結晶粒の成長も顕著になり,これにともなって繊維強度が大輻に低下することが明らかになった。
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