Papillary cystic pattern of parotid acinic cell carcinoma-a cyotological observation

2004 
背景:唾液腺に発生する腺房細胞癌の一亜型として乳頭・嚢胞状パターンを伴うものが存在するが, その細胞学的判定基準は十分に確立されていない. 今回, 耳下腺原発の腺房細胞癌の乳頭. 嚢胞状型の1例を経験したので, その細胞所見を中心に報告する.症例:80歳, 男性. 左耳下腺腫瘤を主訴に当院耳鼻科を受診した. 術前の穿刺吸引細胞診では, 赤血球の破壊物やヘモジデリンを貧食したマクロファージとともに, 卵円形や円柱状の腫瘍細胞が乳頭状, 孤立性あるいはシート状に出現していた. 核は円形, クロマチンは細~粗穎粒状に分布, 核小体は明瞭であった. 細胞質は豊富で顆粒状, 泡沫状, 明調, 空胞状と多彩, 一部の細胞質内にライトグリーン好染性の小滴状構造物を認めた. 組織学的に, 腫瘍実質は, 狭小な血管結合織性問質を基軸として乳頭・嚢胞状に増殖していた. 腫瘍細胞は比較的明瞭な核小体を1, 2個有し, 軽度の核の濃染化・大小不同がみられ, 細胞質が泡沫状を呈していた.結論:細胞学的特徴は, 乳頭・嚢胞パターンを呈し, 腫瘍細胞は卵円形や円柱状で, 明瞭な核小体, 細胞質は顆粒状, 泡沫状, 明調, 空胞状など多彩であることであった.
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