II．治療：1．乳輪アプローチによる系統的乳腺切除術

乳癌に対する外科手術では確実な手術効果と整容性に加え，患側上肢の浮腫や運動制限など長期的手術侵襲の軽減が大きな問題となる．乳腺内視鏡手術はこれらの問題を解決する有用な方法である．しかし開発者によってさまざまな術式が存在しており，手術効果や合併症も異なるため，内視鏡手術というカテゴリーで総括できない現状がある．本稿では現在施行されている乳腺内視鏡手術の種類別の手術効果と合併症を明らかにし，乳輪アプローチによる系統的乳腺内視鏡手術について述べる．