二次性副甲状腺機能亢進症を伴う血液透析患者におけるビタミンD3パルス療法とconventional therapy施行による血清C-PTH, 血清ALP, 自覚症状の変動

1991 
二次性副甲状腺機能亢進症の慢性血液透析患者9例に対し, 1α, 25 (OH) 2D3パルス療法と従来通りの用量の1α(OH)D3もしくは, 1α, 25 (OH)2D3を用いたconventional therapyを数か月間隔で施行し, 血清C-PTH, 血清ALP, 骨関節痛等の自覚症状の推移とパルス療法の副作用について観察した. 全観察期間を4つに分け, 最初の平均86.3日 (20-160日) はパルス療法を, 第2の平均84.1日 (37-210日) はconventional therapyを, 第3の平均79.6日 (44-120日) はパルス療法を, 最後の平均53.8日 (30-80日) はconventional therapyをそれぞれ施行した.パルス療法時は, 1α, 25 (OH)2D3 4μgを週2回透析終了時に経口投与した.パルス療法時とconventional therapy時におけるリン吸着剤は, CaCO3もしくはAI (OH)3を使用した.血清C-PTHは, パルス療法開始後約1か月で著明に下降し, 骨関節痛も消失した. Conventional therapyに戻すと約1か月で血清C-PTHは著明に上昇し, 骨関節痛も再発した. 血清ALPは最初のパルス療法の期間で有意に下降を示し, 以後conventional therapy, パルス療法, conventional therapyと繰り返しても有意な変動は認められなかった. このことは, PTHが二次性副甲状腺機能亢進症患者での骨関節痛に強く関連していることを示すものと考えられる. また, 疼痛の消失時における血清C-PTHの平均値は14.5ng/ml (n=13) とかなり高値であった.
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