A CASE OF INFLAMMATORY GRANULATION OF THE LIVER WITH DIFFICULTY IN DIFFERENTIAL DIAGNOSIS FROM METASTATIC HEPATIC CANCER

症例は75歳女性.バリウム注腸造影で直腸RsSに全周性の大腸癌を認めた.注腸検査4日後に突然の腹痛が生じ腹部CT検査でバリウム腹膜炎と診断した.腹膜内洗浄ドレナージ術と人工肛門造設術を施行し,術後39病日に高位前方切除術を施行した.経過観察造影CTで肝S6の腫瘍性病変を認めCT-APとCT-Aで増大傾向を認めたため大腸癌肝転移と診断し肝切除術を施行した. S6の腫瘍性病変は病理学的検索で異物性の炎症性肉芽腫と診断され,バリウムの肝内への侵入による炎症性肝肉芽腫と類推された.バリウム性腹膜炎後の肝の腫瘍性病変に対してはバリウム性肉芽腫をも念頭に置き慎重な対応が必要と考えられた.