A Case of Fatal Pulmonary Bone-Marrow and Fat Embolism following Insertion of Cemented Femoral Neck Prosthesis

症例は84歳,女性.左大腿骨頸部骨折で,骨セメントを使った人工骨頭置換術を受けた.麻酔は亜酸化窒素-酸素-セボフルランで維持した.大腿骨に骨セメントを挿入し人工骨頭を打ち込んだ直後,突然血圧低下から心停止に至った.蘇生には成功したが,その後も循環動態は不安定であり,血圧を維持するために大量のエピネフリンおよびドパミンの持続投与が必要であった.積極的な治療にも関わらず,次第に全身状態は悪化し,心停止発生9時間後死亡した.剖検の結果,広範囲な肺の骨髄・脂肪塞栓症と診断されたが,急性心筋梗塞を示す所見はなかった.