乳癌術後, 胃と十二指腸に同時に発症したgastrointestinal stromal tumorの1例
2002
症例は74歳の女性. 自覚症状は特になし. 乳癌術後約4年目にCTにて肝門部に腫瘍が認められた.10カ月後再検したところ肝門部の腫瘍は十二指腸球部の粘膜下腫瘍であり約1.5倍に増大していた.また, 胃底部にも粘膜下腫瘍が認められた. 十二指腸の腫瘍は約3cm, 胃底部はさらに小さいものであったが増大傾向を示しているため悪性の可能性も考慮し, 胃十二指腸部分切除術および胃部分切除術を施行した. 免疫組織学的には胃の腫瘍はCD34, C-kit, vimentin, NSEが陽性, SMA, S-100が陰性であった. 十二指腸の腫瘍はC-kit, vimentinが陽性, CD34, SMA, S-100, NSEが陰性であり, 両腫瘍ともGISTと診断した. 転移に伴う同一病変かどうかは確定診断ができなかったが, 転移経路の関係上転移は考えにくく, 胃と十二指腸にGISTが発生したと診断した. 本症例のように胃と十二指腸にGISTが同時に発症するのは報告がなく非常にまれな例と考えられたため, 文献的考察を加えて報告する.
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