小児肩鎖関節損傷(pseudodislocation)の2例

2007 
小児肩鎖関節損傷は肩鎖靭帯,鳥口鎖骨靭帯の断裂を伴わず,骨膜が靭帯に付着したまま骨のみが脱出し,いわゆるpseudodislocationの型をとるとされており,比較的稀である.DameronとRockwoodはtype I~VIに分類しIV,V,VIに手術適応があるとした.今回,我々はtype IVと思われる2例を経験し,それぞれに保存治療及び観血的治療を行った.いずれも分岐鎖骨を認めたが,ほぼ満足できる結果であった.手術の適応は転位の程度によって決まってくると思われるが,前後方向への転位は2方向のみでのX線撮影では判断が難しく,多方向からの撮影が重要と思われた.
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