Application of Trinitrotoluene-containing Polymer Gel to Thin-layer Chromatography.

1994 
トリニトロトルエン(TNT)を架橋ポリビニルアルコール(PVA)ゲル中に分散させ,これを薄層クロマトグラフィーの担体として用いて芳香族化合物の構造異性体の分離を試みた.芳香族化合物としてはトルイル酸とニトロ安息香酸およびそれらのナトリウム塩のo-,m-およびか体を用いた。展開液は水を使用した。薄層はTNTを含むPVAゲル(TNT-ゲル)とセルロース粉末の各種割合の混合物から調製した.比較のために,TNTを含まないPVAゲル(TNT-フリーのゲル)も調製した。トルイル酸の各異性体はセルロースのみからなる薄層上ではまったく同じRf値を示し,この薄層にTNT-フリーのゲルを加えてもそれらのスポットはほとんど分離されなかった。しかし,TNT-ゲルとセルロース粉末の混合物から調製した薄層上ではそれらは相互に分離された。ニトロ安息香酸ではTNT-フリーのゲルをセルロースに加えた薄層でもo-体がm-およびか体から分離され,TNT-ゲルとセルロースの混合物から調製した薄層上ではさらにm-体とか体も分離された。これらの酸のナトリウム塩についても同様の分離効果が認められたが,その分離の程度は遊離酸の場合より低かった。
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