Suppressive Effects of Aspergillus Products on Host Defence Mechanisms

1997 
肺アスペルギルス症は,全身性の抵抗減弱患者のみならず肺や気道局所にのみ基礎疾患を有する患者においてもしばしばその発症を見るが,その病原性因子については未だ明らかにされていない.Aspergillus fumigatusに対する感染防御機構に関しては貪食球がその中心的役割を果たすことから,A.fumigatusから産生されるマイコトキシンであるgliotoxin, fumagillin, helvolic acidやAsp-hemolysinを用いて貪食球機能に対する影響を検討した.貪食球の機能としては,ヒト肺胞マクロファージ(AM)の分生子発芽抑制能,多核白血球(PMN)の遊走能,PMNのO2-放出能,PMNによる菌糸傷害を検討した.検討したマイコトキシンはこれらの貪食球機能を抑制したが,中でもgliotoxinが最もその効果が強く,次いでfumagillin≧helvolic acid>>Asp-hemolysinの順であった.生体局所においては,感染防御機構がアスペルギルスを排除しようと働く一方で,先行する病変部位を足場に侵入・定着したアスペルギルスがそこでその防御機能を障害する物質を産生し,病変を引き起こしている可能性が考えられた.
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