Double-filtration plasmapheresis(DFPP)とステロイド内服によりHDを離脱しえたHTLV-1抗体陽性全身型Castleman病の1例

2008 
症例は50歳,女性.2001年8月より稽留熱,2003年1月,上気道炎を契機に急激な腎機能悪化,意識障害を認めたため他院に入院し,原疾患不明のまま維持透析を8か月行っていた.しかし,全身倦怠感,貧血,HTLV-1抗体陽性,CRP高値(13.4~16.3mg/dL),多クローン性高γグロブリン血症が持続し,精査目的で転入院となった.腋窩リンパ節生検でidiopathic plasmocytic lymphadenopathyと診断.骨髄穿刺などほかの所見をあわせてCastleman病と診断した.さらに,腎組織検査で間質性腎炎と病理診断,病的所見の認められない残存糸球体の割合が70%で原疾患の治療により回復する見込みが高いと判断し,DFPPを6回施行後グロブリン産生抑制目的にプレドニン20mg/日内服を開始した.これらの治療にすみやかに反応し,腎機能は改善,Cr 3.64mg/dL,Alb 3.0g/dL,TP 8.6g/dL,CRP 3.9mg/dLとなりHDを離脱した.現在まで3年を経過しているが,およそ半年に一度のステロイドパルス療法を加えることによりプレドニン10mgの維持量にて腎機能はさらに改善しCr 2~3mg/dLとなっている.すでにHDを定期的に施行していてもデータをよく検討し,正しく原疾患を検証した上で積極的治療を行うことによりHDを離脱させることができた貴重な症例を経験したので報告する.
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