濾胞性リンパ腫の治療:Watch and wait の立場から

2005 
濾胞性リンパ腫の grade 1 および 2 は緩慢な経過をとり,治療によっても再発・再燃を繰り返し生存曲線はプラトーに達しない.限局期例は放射線治療によって治癒が期待できるが,進行期例に対する化学療法が生存率の向上に寄与したとの確かな証拠はない.rituximab と化学療法の併用は高い腫瘍縮小効果と細胞遺伝学的寛解をもたらすが,疾患の自然史を変えうるかどうかは長期成績の結果を待つ必要がある.watch and wait は,病勢が進行するまで治療を延期しても生存に不利はないとの過去の知見に基づく対処法である.治療の適応は,①臨床試験の候補者,②有症状, ③差し迫った内臓機能異常,④リンパ腫に続発する血球減少,⑤初診時かさばり(bulky)病変,⑥6 ヵ月を超える持続的増悪,⑦患者の希望,などである.watch and wait は,生存率の向上に寄与する治療法の確立によって将来は棄却されるべき運命にある.
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