A case of gastric rupture due to bystander cardiopulmonary resuscitation

2009 
心肺蘇生に伴う胃破裂は稀な合併症である。今回我々は,バイスタンダーによる心肺蘇生(CPR)が原因と考えられる胃破裂の 1 例を経験したので報告する。症例は77歳男性で,朝食摂取中に窒息状態となったため用手的に異物除去した後,呼吸停止に対し胸骨圧迫,マスク換気を行い,心拍再開したため近医へ救急搬送された。胸部単純X線写真にて多量の腹腔内遊離ガス像を認めたため特発性食道破裂の疑いにて当センター転送となった。当センター来院時,バイタルサインは安定していたものの腹部は著明に膨満し気腹状態であった。腹部造影CT検査にて胃体上部小弯側から小網内及び大動脈周囲に遊離ガス像を認めたため,胃噴門部の穿孔と診断し緊急開腹術を行った。開腹すると,食道胃接合部直下から小弯に沿って 7 cm長の全層性裂傷を認め,同部を縫合閉鎖した。術後経過は良好で7日目に他院転院となった。心肺蘇生に際し,不適切な換気による胃拡張状態はそれのみでも胃破裂を来す可能性があるが,胃拡張状態に加えて胸骨圧迫を行うことにより急激に胃内圧の上昇が起こり胃破裂の危険性が高まることを十分注意しておく必要がある。心拍再開後は,循環動態が安定していれば胃破裂を迅速に診断し手術療法を行うことで死亡率を軽減させうると考えられた。
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