Factors affecting the registration of patients on chronic hemodialysis for cadaveric renal transplantation

1994 
わが国の末期腎不全治療においては患者の大多数は慢性透析で治療され, 腎臓移植を受けるのはごく少数である. 従来死体腎提供数の不足がその理由とされてきたが, 慢性透析患者のうち死体腎移植を希望する割合も米国などと比較して少ない. 1) わが国においてはどのような理由で末期腎不全の治療に死体腎移植を希望するものが少ないのか, 2) また治療方針の選択は十分な情報に基づいた合理的な判断に基づいて行われているか, を明らかにする目的で, 首都圏の4病院の慢性透析患者588人を対象に自記式調査票調査を行った. 回答率は80.6%, 回答者の性別は男60.9%, 平均年齢は54.2歳, 平均透析期間は7.1年であった. 死体腎移植希望登録を行っているものは12.6%, 将来登録を希望するもの18.4%, 希望しないもの69.0%であった. 希望しないものは, 他と比較して, 有意に年齢が高く, 男性が少なく, 職を有しない割合が高かった. 死体腎移植を希望しない理由としては, 「年齢, 体力的理由」, 「登録しても腎臓の提供を受ける見込みが少ない」, 「移植しても腎臓がそれほど永く機能しない」の順に多く挙げられた. また回答者の多くは死体腎移植の成績を過小評価しており, 登録制度が必ずしも周知されていないことが示された. 多重ロジステック回帰分析では死体腎移植希望登録を行っているものは, 性別では男性, また移植1年後の生着率を高く評価するものに多いことが示された. 末期腎不全患者が治療方針について合理的な選択を可能にするためには, 医療機関を介した適切な情報の提供が不可欠であると思われる.
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