ブラジル北東部の Caatinga 植生における主要樹種の光‐光合成曲線

2006 
本研究では,ブラジル北東部の Caatinga 植生主要樹種を対象に,光‐光合成曲線から得た光合成特性と水利用効率を用いて樹種の現地環境での生育状態を検討し,緑化樹種の選定を試みた。Jurema pretaは,最大純光合成速度と光補償点がともに高く,Caatingaの遷移の先駆的役割を果たすと考えられた。AlgalobaはJurema pretaと光合成特性・水利用効率ともに有意差がなかった。Algalobaは,Jurema pretaと同じく成長の早い樹種であると考えられた。Catingueiraは最大純光合成速度が低く光補償点も低く,Jurema pretaより暗所で光合成活動を行うことができ,Jurema pretaの後に優占すると考えられた。Pinao bravoとJurema pretaとでは,最大純光合成速度・光補償点に有意な差はなかったがPinao bravoはJurema pretaより水利用効率が低いため旱魃などの際にPinao bravoからJurema pretaへの優占種の交代がおこると考えられる。Caatingaの緑化計画としては,Caatinga植生をより原生の状態に再生また維持させることを考慮した際は,Catingueiraのような遷移後期に優占する種を植栽するのが望ましいと考えられる。また,生産性を求めた場合は,Jurema pretaやAlgalobaような光合成活性が高く成長の速い樹種による植栽がよいと考えられる。
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