A case of markedly reduced ectopic tendon calcification following percutaneous ethanol injection therapy (PEIT) for enlarged parathyroid glands in a patient on longterm hemodialysis
1994
症例は42歳, 女性. 慢性糸球体腎炎由来の慢性腎不全のため, 10年来の血液透析歴を有する. 入院1年前より大腿四頭筋腱, 膝蓋腱およびアキレス腱の圧痛, 運動時痛が出現した. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与, 副腎皮質ステロイド剤局注を行ったが症状は改善せず, 硬膜外麻酔も効果は一時的であった. 入院時血清Ca濃度10.2mg/dl, P濃度8.4mg/dl, ALP活性186IU/l (正常値110-320IU/l), HS-PTH濃度54,000pg/mlと高P血症と二次性副甲状腺機能亢進症を認め, 超音波検査で副甲状腺2腺の腫大を確認し得た. また, 骨シンチグラムで大腿四頭筋腱およびアキレス腱へのRI集積が認められ, 膝蓋腱の生検標本にて石灰沈着が確認された. 以上の所見より異所性石灰沈着が腱の疼痛の原因であると考えられた. 約1か月の血清P濃度のコントロールしたが臨床症状に改善が認められなかったため, 腫大副甲状腺に対してpercutaneous ethanol injection therapy (PEIT) を施行した. その結果, 血清HS-PTH濃度が15,000pg/mlに減少したのに伴って腱の疼痛は改善, 骨シンチグラム上腱へのRI集積は消失した. 二次性副甲状腺機能亢進症の合併症として腱の断裂がよく知られているが, 本症例は異所性石灰沈着が腱の疼痛の原因となった稀な症例であり, その治療にはPEITによる二次性副甲状腺機能亢進症のコントロールが極めて有効であった.
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