CKD 患者におけるたんぱく質制限のアウトカム─ 心血管イベント・死亡

2020 
腎機能には加齢や生活習慣が影響するため,世界的に慢性腎臓病(CKD)患者は増加傾向にある.高齢CKD患者では低栄養や筋力低下が合併しやすく,それらは保存期のみならず透析後の生命予後に関係しているため,低栄養患者を早期に発見し,治療する必要がある.このようなCKD に伴ったたんぱく質とエネルギー源の貯蔵が減少した病態がprotein energy wasting(PEW)である.PEW は低アルブミン血症などの生化学検査,体格,筋肉量,そして食事摂取量の低下をもとに診断される.PEW には栄養状態,筋力,日常生活動作(ADL)などが関与しているため,諸問題の複合的作用がPEW を増悪させ,CKD 患者や透析患者の生命予後に影響を及ぼしており,高齢CKD 患者では末期腎不全だけでなく低栄養や死亡のリスクが高い.CKD に対して一般的に行われる低たんぱく質食はCKD 進行抑制効果を主目的として設定されるが,低栄養を生じる可能性もあるため,患者の栄養状態を考慮してたんぱく質摂取量を決める必要がある.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []