Analysis of the cytologic difficult cases of the breast cytology and usefulness of our reporting system.

1995 
刺吸引細胞診は乳房疾患の治療方針を決めるための主要な手段であるが, 診断困難症例にしばしば遭遇する. われわれは, 独自の細胞判定基準を作成し, 診断困難な症例をCIIIaとCIIIb群に分けた. そして, CIIIaは良性とは断定できないので再検もしくは厳重な経過観察か, 外来で試験切除を行う. CIIIbは, 悪性を強く疑うが断定できないので他の診断所見を考慮したうえで入院して試験切除を行うよう勧告する. 疑いなく悪性の場合にのみCIV, CVとするという報告様式を考案した. 1988年1月から1993年6月まで, 総計1197例に対し1510回の穿刺吸引細胞診を行った. CIIIa群は83, うち47例の手術例中7例 (14.9%) が悪性, 40例が良性であった. CIIIb群は44. 35例に手術, うち22例 (62.9%) が悪性であった. CIV, CV群の76例はすべて悪性で, 誤陽性はなかった. CIIIa群の良性は, 乳腺症, 巨大線維腺腫, 隆起性皮膚線維肉腫, CIIIb群の良性は乳腺症, 線維腺腫, 乳管腺腫 (ductal adenoma), 葉状腫瘍などで, 組織学的にも問題例が多くみられた. CIIIb, CIIIa群の悪性症例は, 硬癌, 小葉癌, など細胞採取しにくい小型の細胞からなる症例, 非浸潤癌, 微小浸潤癌など異型の少ない癌, 異型の少ない細胞の乳頭癌症例が多かった。術中迅速組織診断では診断できなかった乳頭癌症例をCIIIbとして拾い上げている. 以上, われわれの判定基準は, 診断困難症例の診断に適用でき, この報告様式は治療方針を立てるうえで有用であった.
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