A CASE OF GASTROINTESTINAL STROMAL TUMOR (GIST) OF THE MESENTERY OF THE TRANSVERSE COLON

症例は68歳女性. 2000年5月,腹部膨満感が出現し近医を受診.右腹部に小児頭大の弾性硬の腫瘤を認めた.超音波検査, CT検査で径20cmの一部実質成分を伴う多房性の嚢腫様病変を認めた.また骨盤内にも径5 cmの腫瘤を認めた.血管造影検査では腫瘍による圧排像のみで腫瘍血管の増生や腫瘍濃染像は指摘できなかった.腹部腫瘤の治療と診断を目的として手術を施行した.手術所見は横行結腸間膜に25cm大の白色調で表面平滑な軟らかい腫瘍を認めた.また骨盤内の後腹膜にも5 cm大の灰白色調で充実性の腫瘍を認め,それぞれ摘出術を行った.病理組織検査と免疫組織学的検査にてc-kit, α-SMA, desmin陽性であり,横行結腸間膜原発のGISTと診断した.腸管外組織を原発とするGISTは稀であり, EGISTと呼称されることもある.最近の本邦報告例の集計とともに若干の文献的考察を加えて報告する.